とあるソーシャルワーカーの相談業務奮闘日誌

福岡の施設に勤めるソーシャルワーカーの業務日誌です。医療、介護、福祉他、福岡の施策などについてもまとめていきます。

医療費・薬代・介護保険自己負担分・メガネ・補聴器・引っ越し代・弁護士費用全部無料!実際にみてきた手厚すぎる生活保護の実態をまとめようと思う

生活保護に関する記事のアクセスが伸びています。

みなさんやっぱり、生保に関するリアルな情報には関心があられるようですね。




わたしも大学から福祉を学び始めましたが、生活保護行政に対しては色々と思うところがありました。

その学んだことを、いま有料老人ホームの相談員という立場で実感している所です。


さて、その中でも一般的な生活保護の知識と「こんなことまで無料なの!?」と正直に驚いたことをまとめていきたいと思います。



目次




生活保護者は病院行きたい放題・薬使い放題

これは有名な話ですね。生活保護受給になると、いわゆる保険証がはく奪されます。

その代わりに、地域の緊急受給者証というものが手に入り、これが保険証代わりとして機能するようになるんですね。

福岡市でいうと、「福岡市緊急受給者証」が正式名称となります。

サイズは一般的な保険証と同様。色は白です。

担当の保護課の名称、エリア、本人の名前、有効期限などが書かれています。


写真撮ってモザイク掛けてアップロードしようと思いましたがちょっとリスキーなのでやめときます 笑

その代わりに手書きで書いたものアップしておきますので是非参考に。


そしてこの緊急受給者証が手に入れば、生活保護受給されている方は何度病院に行っても診察代は一切無料!!

※ただし、入院中のオムツ代、病衣代などは実費がかかります。保護課に申請すればオムツ代は後日補填されるケースがほとんどですが 笑


薬代もかからないっていうんですからすごい手厚いですよね。

国民年金を月に7万円ほどしか受け取れず、カツカツの生活をしているがために病院の受診すらためらうひとがいる事を考えると複雑です。


ちなみに、薬使い放題というのはちょっと言い方に語弊があるかもしれませんが、受診にともなって処方された薬代も全くかかりません。


すごすぎますよね…


めがねと補聴器も無料でもらえる?



さて、これも驚いたことなのですが、生活保護者であれば、一定の基準を満たせば無料でメガネ、補聴器を手に入れることができます。



これ、生活保護で支給される形にはなるのですが、病院から眼鏡や補聴器の処方箋を出してもらい、それをもってメガネ業者、補聴器業者に注文すると、あら不思議無料でめがねや補聴器が届くものとなっています。

※補聴器に関しては障がい者手帳(聴覚障害)が必要となります。いちばん軽い6級くらいだったら耳が遠い方はだいたいおります



両方の手順を簡単にまとめますね。

眼鏡を処方してもらう方法

1.近くの眼科に行き、「眼鏡の処方箋」を出してもらう。受けつけで「生活保護受給の方です、眼鏡の処方箋をいただきたくて受診しました」と伝えればだいたいOK

2.病院から眼鏡の処方箋が発行される。それをもって近くのメガネ業者へ。※もちろん事前にケースワーカーへの連絡が必要となります

3.メガネ業者から見積もりが出る→生活保護課へ提出(見積もりだすのに一か月くらいかかるお店もざらにあります)

4.見積提出後、役所から「補装具支給決定書」が届く。これも1~2ヶ月くらいかかることが大半。

5.補装具支給決定書をもって再度眼鏡屋さんへ→メガネ支給

補聴器を処方してもらう方法


■Aパターン:すでに聴覚障害障害者手帳を持っている場合

1.近くの耳鼻科に行き補聴器を支給して欲しい旨伝える。

2.病院にて指定の検査を行い、主治医意見書等をもらう(自治体によって書式が異なりますがHPでだいたいダウンロードできます)

3.主治医意見書を含む必要書類を保護課に提出 ※メガネ同様見積もりが必要となります、耳鼻科提携の補聴器業者がだいたいありますのでそこに決まるケースがほとんど

4.役所から「補装具支給決定書」が届くのを待つ ※だいたい1~2ヶ月必要

5.補装具支給決定書をもって再度補聴器業者さんへ→補聴器支給


■Bパターン:聴覚障害での障害者手帳が無い場合

1.障害者手帳申請書類を事前に用意し耳鼻科を受診

2.耳鼻科にて聴力検査や五音検査と呼ばれる検査が実施され該当か非該当かの結果が出る ※非該当の場合補聴器の支給はありません

3.該当の場合、障害者手帳が支給されるまで待つ ※だいたい1~2ヶ月くらい

4.障害者手帳が手元に届いたらAパターンの流れで補聴器申請


いやあ、めっちゃ面倒ですけど、無料で手に入るなら制度を使わない手はありませんよね。


自己破産や任意整理など弁護士費用も無料?


実際に経験があるのですが、昔していた借金や連帯保証人になってしまった履歴があり、莫大な費用を返済しろと書類が施設に届くことがままあります。

びっくりせずに、冷静に役所や法テラスに相談しましょう。

生活保護受給中の方の場合、自己破産をしてチャラにするパターンもありますが(金融業者がしつこい場合)、大抵の場合、生活保護受給中の為返済能力がありませんという通知ひとつで借金がチャラになることがあります。

通常、こういった書面を弁護士の先生から出してもらうと費用が発生しますがさすが生活保護、その費用すらも補填してくれます。

本心でいうと超複雑です。だって、ぼくらが払っている税金使って弁護士費用出るんですよ。しかも、その費用は借金を踏み倒すために使われるんですよ。どういうことやねん!と思ってしまって普通だと思います 笑



まとめ


というわけで、愚痴もちょいと入りましたがこんなことができちゃう生活保護

なんという免罪符。申請も何度か経験ありますけど、なんだかなあと思いながらするときと、この人は本当に保護が必要だと思う時と、それぞれです。

それでは今日はこのあたりで。