医療費も介護サービスも全部タダ!生活保護に感じるむずがゆさ
こんにちは、ソーシャルワーカー♂です。
ペンネームがないのも寂しかったので、今後は『ラフ』と名乗ります。笑うのラフと無造作のラフをかけた名前にしてみました。
さて、挨拶もほどほどに、今回は何かと話題になりやすい生活保護についてまとめていきたいと思います。
皆さんはこの記事を読んで、生活保護に対してどんなイメージを持つようになるでしょうか?
最後のセーフティネット、と呼ばれる生活保護。そもそもの仕組みは?
生活保護は日本国が定めた救済措置のひとつです。小難しいことは抜きにしてざっくばらんに説明すると「障害や家庭環境、その他の事情により自立した生活が送れなくなった方が受けられる救済制度」といったところでしょうか。
もっとざっくり言うと、生活の面倒をすべて国や自治体(市町村)が見てくれる、というものです。
よくアリとキリギリスの童話に例えられます。夏場、冬の支度のために一生懸命働いていたアリと、夏に冬支度をせず好き放題生活を謳歌し冬に困り果ててしまうキリギリスの話ですね。
「アリのようにこつこつ真面目に働きましょう」という教訓があるようですが、生活保護の制度はこのキリギリスをも救ってくれるセーフティネットです。
生活保護を受けられるようになると、家賃、食費、水道光熱費、その他雑費などが支給されることになります。基本的に期限の定めはありませんが、自活して生活ができる見込みのある方は将来的に保護を受けなくとも生活できるよう支援されます。
役所の福祉事務所内に保護課がある場合が多く、エリアによって担当のケースワーカーさんが振り分けられます。ケースワーカーさんは公務員で、福祉の専門でない方も沢山いる状態です…(ケースワーカーさんの良し悪しの差が激しく困った経験のあるソーシャルさんも多いはず 笑)
生活保護は誰でも受けられる?
ちなみにこの生活保護、日本国民であれば基本誰でも受けることができます。もちろん全員もれなくというわけではなく、保護の対象になる場合に受けることができると思っていただくとよいでしょう。
生活保護には「無差別平等の原則」という要項があり、基本的には誰でも受ける権利のあるものと理解していただいて結構です。
もちろん、生活保護が必要ないと判断されれば保護を受けることはできません。
生活保護の申請はどこにいけばいいの?
生活保護の申請は各自治体の役所窓口にて行います。ほとんどの自治体で「福祉事務所内」に「生活保護課・保護課」がありますのでそちらを訪ねるといいでしょう。
※自治体によって課の名前は様々
寝たきりや重度の認知症などで本人自身で窓口に行けない場合、代理の申請も可能です。
地域の民生委員さんが、保護課に通達してくれることもあります。
役所になりますので、基本的には平日の9:00-17:00の間での対応となります。
生活保護受給中は何度病院にいってもどんな介護サービスを使ってもタダ!
さて、生活保護受給(保護決定)が決定したら多くの支援が受けられるようになります。
例えば、生活保護受給中は何度病院に通っても医療費やお薬代は完全に無料ですし、介護サービスを利用しても無料です。
ただし、入院時の食費やおむつ代などの消耗品は実費がかかります。個室代が別途かかる場合もあります。
ちなみに各種検診などにももちろん費用はかかりません。全額、保護費で支払われることになります。すごい待遇ですよね。お金がなくて病院にもいけない非生活保護者の方はたくさんいるのに…
そんなこともあってからか、一部悪質な病院・クリニックで必要のない治療を施すところもあります。どんな治療をしても、どれだけ入院しても患者さんに負担はないのですからやりたい放題してしまうところもある、ということですね。もちろん、あくまで一部の医療機関の話ですよ。
介護サービスも基本は利用者の1割負担が課せられますが、生活保護者はもちろんこれもかかりません。そのため、介護度に応じた点数を限界まで何も気にせずに使うことができます。
不正の温床になりそうな気配がムンムンしてきます。
生活保護とワーキングプア
生活保護の方は無料で医療や介護を受けられるのに、ずっと真面目に働いてきたものの年金が少ない方、いわゆるワーキングプアと呼ばれる方は金銭的な問題で満足に医療介護が受けられないというのはおかしな話です。
ここでいうワーキングプアの多くの方が、厚生年金ではなく国民年金のみで生活しています。国民年金は、平成29年の7月現在、満額納めたとしてももらえる金額は月7〜8万円程度。一方生活保護の方は月11〜14万円程度もらえます。
生活保護費を下げろ!なんて言いませんが、国民年金の方に対する救済は別途必要な気がします。真面目な人間が将来バカを見る、と言われているようにすら感じかねません。