とあるソーシャルワーカーの相談業務奮闘日誌

福岡の施設に勤めるソーシャルワーカーの業務日誌です。医療、介護、福祉他、福岡の施策などについてもまとめていきます。

入居前のアセスメントはどれくらいやるべき?実は感染症持ちだった利用者が入居してきたときの恐怖

こんばんは、福岡でソーシャルワーカーしています、ラフです。
さて、先日業務を行う中でなかなかの面白い事態が起きたのでご紹介します。



結論から言いますと、ドクター、看護師、フェイスシート、病院の看護サマリー、診療情報提供書(紹介状)、担当ケアマネにひとしきり情報得たのに、
まさかの疥癬感染利用者だったという話です。なかなかエグいでしょう 笑

では、コトの顛末とその対策、現状をご紹介していきたいと思います。
病院、特養、老健、有料老人ホーム、その他デイサービスなど、どこの介護施設医療機関に所属していても起きうる話です。
是非ご参考にされてみてください。

なぜ疥癬ほどの強烈な感染症に気がつけなかったのか

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新規利用者の入居。病院であれば入院ですね。なかなかのイベントです。
出入りの激しい急性期や老健の場合慣れっこかもしれませんが、居室数50ほどの小規模ホームなどの場合、月にそう何度も起きるものではありません。

ソーシャルワーカーとして新規入居者の調整も大事な仕事。
ボクのように、なぜか営業も兼務されている方も多いかと思いますが、まあそれはまた別の記事で書きます 笑

新規の相談があった時点で、こういった流れで入居になるケースが多いでしょう。

病院や家族、包括、民生委員などからの入居相談

施設病院の空き状況と照らし合わせ

★情報収集(担当者やドクター、ソーシャルなどから)

施設での入居検討(うちの施設ではソーシャル、施設長、介護スタッフ、看護スタッフですり合わせを行います)

入居可と判断したら日程を調整して入居

特に重要なのが★をつけた「情報収集」。
一般の方なのか生活保護受給の方なのか、介護度はいくつか、病状はどうか、生活歴はどうか、介護者はどうか、経済力はどうか…
などなど、色んなことをヒアリングしていきます。

うちの施設では、入居可否の判断の精度をあげるために、必ずソーシャルと看護師とで入居前の面談を行うようにしています。
その情報を元に、さらに施設長が最終決定を行う感じですね。

ここまで伏線を張っていたのに、なぜ疥癬の患者が疥癬とわからない状態で入居してきたのか、どうやって疥癬と気づけたのかをまとめていきます。


皮膚科もある総合病院なのに気づけなかった疥癬と、協力医療先皮膚科ドクターのグッジョブにより明らかになった疥癬

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今回疥癬のまま入居してきたご利用者さんをAさんとします。
年齢は70代半ばの男性。生活保護受給中で要支援の方でした。透析を受けられていましたがなんとか受け入れることに。
金銭管理等はご家族。総合病院入院中でしたが、ご自宅での生活に不安があるということで有料老人ホームにご入居、という運びとなりました。

相談してきたのは居宅さんです。
以前からお付き合いのところで安心して入居前のヒアリングを進めていました。
フェイスシートもいただき、入院中病院の看護師さんからも病状等にしっかりと申し送りを受けます。
もちろん、この時点でひとことも「疥癬」なんて出てきていません。だって、主治医でさえ、疥癬って知らなかったんですからw

無事に施設長の許可もいただき入居の運びとなります。
いつも利用している引越し業者さんが家具を搬入し、Aさんを居室へ案内。
性格も穏やかな方で特に問題なく入居生活がスタートしました。

入居して2週間経ったときのことです。
Aさんから「背中が痒い」と訴えがありました。
もともと掻痒感があるとの情報頂いておりましたが、透析を受けていることもあり、それによる掻痒感であろう、ということが病院の判断。

それがまさかの疥癬だったんですね。
入居後、ボクがいる施設の協力医療先皮膚科に受診に行った際、ドクターがとにかく丁寧に診察を行ってくれました。
手足指先、鼠径部、脇など、あらゆるところの皮膚を採取して検査。
その結果、疥癬であることが判明したのです。

ぶっちゃけます。

前の病院のドクター、看護師、ケアマネ、なにやってたの!?

って話ですよ!

たまたまこちらで皮膚科受診したからよかったものの、これ受診せずにそのままだったら透析室の患者さんはもちろん、スタッフさん、デイサービスの利用者さん、スタッフさんに疥癬うつってたかもしれないんですよ!

まだ、角化の方の疥癬じゃなかったのでよかった(よくはない)ですが、本当に衝撃でした。

透析があるからの掻痒感という一般認識を疑う

今回、ある意味いい勉強になりました。
生保の方で、一人暮らしで、掻痒感、というキーワードが出てきた時、透析によるかゆみというあるあるに惑わされて「疥癬」なんて思いもしなかったんです。
それはボクも含め、ずっとかかっていた病院、関わっていた介護のプロの方々も同じことでしょう。

大事なことは、たとえドクターから、看護師さんからの情報であっても、本人の現在の状態を見て鵜呑みにしない、ということかもしれません。
かなり無理ありますけどね 笑

まとめ

ということで、今回はなかなかキモを冷やした入居対応となりました。
今後、新しく施設病院に入院入居される方で、体痒がっている方がいたら、例え主治医が看護師が「感染症ではない」と言おうが、一応疑ってみるという勇気と視点があなた自身とあなたの所属する施設、スタッフを守ることになるかもしれません。
なによりそれがご本人や家族のためにもなります。
猜疑心を持ちすぎるのもなかなか問題ですが、持っていることに越したことはない、なかなか世知辛い商売なのかもしれませんね、相談員とかソーシャルワーカーとかって。